〜初めて買ったCD再検証〜


THE ALFEE/冒険者たち

1.冒険者たち
2.El Dorado  (English Version)
3.冒険者たち (オリジナル・カラオケ)


小学生の頃、NHKアニメ「モンタナ・ジョーンズ」が大好きだった。
夕方に放映されていたので、夕食をとりながら観ていた。そして塾に行く、という生活のサイクルだった。
アニメを観ているうちに、オープニングで流れていた歌が気になってきた。
だがタイトルはおろか、誰が歌っているのかも分からない。
画面を見ればそういった情報は簡単に手に入るのだが、そこは小学生、「文字」よりも「アニメ」の方ばかり見入っていた。

その後どうやってこのCDを手に入れたかよく覚えていない。新品か中古かも分からない。
ちなみにこのCD、アニメのタイアップ曲ということで、裏ジャケットにアニメ「モンタナ・ジョーンズ」の絵が使われている。
これを見て「モンタナ」の曲だと分かり、欲しいと思ったのだろう(親に買ってもらった気がする)。

よく聴いていた。幼いなりにカッコイイと感じたのだろう。今でも聴いている。処分することなく残っていた。
この曲が発売されたのが1994年。もう10年以上も昔の曲である。
「懐かしいから好き」なのか、「純粋にいい曲だから好き」なのか。
今回はこのCDを再検証みてみようと思う。



@はじめに

このCD、8センチシングルなんだよね〜。いやー、懐かしい。
内ジャケットにはなんと、メンバーのアニメ絵が載っている!流石アニメのタイアップ曲!坂崎似てない。高見沢ヘン。桜井ソックリ。
初めてのCDがアルフィーって・・・、なんとまぁ渋いガキなんでしょう。
当時で既にデビュー20年、バリバリのヴェテランだよ。フツーはアイドルとかから入るんだろうけどなぁ。
ここで既にひねくれた性格が形成されていたのか。いや、アニメソングから入っているから一般的なのか?まぁいいや。
アルフィーから音楽を聴くようになったんだけどだけど、その後の変遷がオカシイ。
THE ALFEE→The Carpenters→AEROSMITH→HELLOWEEN→メタル色々→QUEEN→The Who
アルフィーに関しては大学に入るまでこのシングル一枚だけだったし、
カーペンターズとエアロはベスト盤だけたったんだよな。まぁ中学入ったばかりだったしなぁ。
本格的にハマったのがHELLOWEENをはじめとしたメタルだったわけだけど、メタルばっか聴いていた中学時代って・・・。
あー、後悔してるなぁ。高校入る前に卒業してよかった、よかった。その後QUEENとThe Whoに出会い現在に至る。
洋楽バカでも最初は邦楽だったんだな、と何故か感慨深くなる。


A“冒険者たち”

様々な視点から検証してみることにした。
まず歌詞について検証してみる。


そして Lady ため息を付く瞬間に
世界地図は変わってく
だけど Lady 国境が消えたその時
新しい時代 見えて来た

Stay Dream Stay Gold
忘れないで欲しい
熱にうかされた少年達
誰もが冒険者になる
永遠という英雄(ヒーロー)

Gold Rush! 百万$でも夢は買えない
だからつかみたい
Gold Rush! 百万$でも愛は買えない
だから奪いたい

果てしなき浪漫へ誘(いざな)う

Gold Rush! 百万$でも時は止まらない
だから行くのさ
生きるか死ぬか ゼロから始まる Gold Rush! Gold Rush!


一番の歌詞だけ引用してみた。アニメで流れていたのもこの部分。
しっかし、たかみ〜らしい歌詞だね。ロマンティックというか強引な世界だわ。突っ込み所満載。

歌い始めからヘン。
「そして」から始まっている。接続詞から入っているのだ!なんだこの文法!?
『A そして B』と使わないと駄目ぢゃないかぁ。『A』に該当する部分どーしちゃったの???たかみ〜ワールド、最初からトばしてます。

二段目もヘン。
熱に「うかされた」少年って?10年間「うなされた」だと思い込んでいた。
熱にうなされた少年って・・・病人じゃん!そんなん冒険になれっこないって・・・と子供ながらに思っていた。
漢字に直せば「浮かされた」。こんな表現つかわねぇ・・・。熱中した少年ってことみたい。
ちなみに二番の歌詞にも少年が登場してくる。
「瞳うるませた少年」である。泣き虫が冒険者に・・・?感動しているということなのか?
そして英雄(ヒーロー)が出てくる。二番と三番の歌詞にも登場し、この部分で英雄の条件といえる言葉が並べられる。
一番:永遠という英雄
二番:孤独という英雄
三番:未来という英雄
ハイ、二番おかしいよ〜。瞳うるませた少年&孤独という英雄・・・?いぢめられっこ???

そしてサビに突入。
Gold Rush!とコーラスが入る。カッコイイのぅ。
でも、ずっと「Go Rush!」だと思っていた。そう聞こえていた。でもそれじゃ意味おかしいな、と気づくのに数年かかった。
大金の例えとして「百万$」が出てくるけど、当時から$のレート知っていたから「1億円かぁ」とか思っていたイヤなガキ。
「一億だったら夢や愛は買えるんじゃないのか・・・?」とか思っていたイヤらしいガキ。
それに「誘(さそ)う」じゃなくて「誘(いざな)う」って読むんだよなぁ。・・・これってアニメソングか?
「生きるか死ぬかゼロから始まる」という歌詞も今考えたらアニメソングにはちょい過激。

でも全体的に、「モンタナ・ジョーンズ」というアニメの世界観に合った、
浪漫と「冒険者」らしさに溢れた歌詞である。今でも「浪漫」という言葉の意味と響きが好き。


次は演奏について。これまた突っ込み所あり。

ホーンセクションによる始まりは、アルフィーにとっては珍しいことなのではなかろうか。
アルバム二枚・シングル一枚しか持っていないから断定できないんだけど。
やっぱりアニメを意識してるのかな?視聴者の年齢層やアニメの世界観とか。たかみ〜がそんな気分だったのかもね。
一番に関してはベース、ドラム、ピアノが主である。桜井さん忙しそう。坂崎さん暇そう。軽くしているのも意識しているから?

しかし、二番から演奏の雰囲気が豹変する。
ギターが叫びだし、ドラムがツーバスになるのだ。もうアニメソングじゃねぇよ!
アルフィーってツーバスの曲多いんだよな。なんか意外。

間奏もヘン。
途中フルートソロ入ったり、メタルばりの泣きの入ったギターソロ入ったり、謎のコーラス入ったり、サックスソロ入ったり・・・。
一つ一つの時間が短いこともあって、せわしなく、強引に感じる。アニメのテーマソングで・・・これは・・・。

何故二番以降雰囲気が変わったのか。
推測だが、この曲は元々アニメ用に作られ、その時は一番しかなかったのかもしれない。
それがシングルとして発売されることになった時に、「自分達らしい」演奏の二番以降を付け加えたのではないだろうか。
若しくは、一曲丸々完成していたのだが、アニメとして流す部分だけは軽いアレンジにしていたのかもしれない。
こればかりはたかみ〜に聞くしかないだろう。


歌に関しては、残念ながら突っ込みは無し。全然残念なことではないのだが。
アルフィーらしいハーモ二ーも堪能できる。


突っ込んでばかりなので駄曲・珍曲なのか・・・というと全然そうではなく、僕は今でも名曲だと思っている。
アルフィーの歌で一番好きだ。それは「懐かしい」からではなく、やはり「いい曲」だからなのだ。


Bカップリング曲について

このシングルは豪華だ。なんと、エンディング曲まで付いている。
しかし、アニメのヴァージョンとは違い、“English Version”つまり歌詞が英語になっているのだ。ちとせこい。
それではオリジナルヴァージョンは発売されていないのだろうか。
実は発売日同じくして“エルドラド”のシングルが発売されているのだ。シングル二枚同時発売とは、まさに彼らは「冒険者たち」である。
しかもそのシングルのカップリング曲は“The Adventure Begins”。“冒険者たち”の英語版だと思われる。
気になる、聴きたいぞ。
なんと商売上手なんだろう、今時の「冒険者たち」には商才も必要なのだろうか。かなりせこい。

訳詞で気になるのはやはり「忠実に訳されているか」だろう。忠実に原文を訳しているのか、それとも意訳全開・訳者ワールドなのだろうか。
どうやら訳詞はメンバーが行っていないようだ。たかみ〜の描く世界に即した英文になっているのか気になる。

結論から述べると、意訳になっている。日本語と英語の性質の違いがあるため、純粋に英語に直すとメロディ対して言葉足らずになってしまう。
そのため、「言葉」を補充するのだが、そのせいで原文とはかけ離れてしまうことがある。
それが顕著に出ているのが歌いだしの部分である。



悲しみの歌を口ずさむ時
人は誰でも旅人になる


非常に簡潔な歌詞だ。スローテンポなバラードなので当然か。
しかし、英文になると長くなり、意味が変わってくる。


You are my star in the sky
Shining with a far-off light
I will be the wind that blows
O'er the sea and all through the night


えらい長くなっております。英語は早口だからコレくらいがちょうどいいのかもしれない。
ちなみに訳してみると、


君は遥か遠くの空で輝く星だ
僕は海を越え夜の間吹き続ける風になろう


・・・となるのだろうか。意訳になっちゃいました、特に後半は無理矢理。まぁいいや。
でも原文とかなりかけ離れれいるのがわかる。
全然「旅人」なんて単語出てこないじゃん。しかも、すっげぇロマンティックになってる。たかみ〜オーラが伝染したか?
訳詞ってこんなモンなのか?コレだけでは判断できない。でもすっげぇ意訳。
しかしサビは結構忠実に訳されている。サビだからか?
(後に日本語ヴァージョンを聴く機会があったのだが、どうやらこの部分の英文は日本語ヴァージョンでの二番にあたるようだ。何故?)


愛は死なない 
夢は消えない
悲しみ越えて
遠い エルドラド


Love and hope will never die
Dreams of you are by my side
Cry no more, dry all your tears
I'll be there - El Dorado

(愛と希望は死なない
 君の夢は僕の側にあるよ
 もう泣かないで、涙を拭いて
 僕はそこに行くよ - エルドラドへ)


稚拙な英語力のせいで後半の訳が厳しくなったが、なんとか形にしてみた。
少し単語が増えているが、原文に忠実に訳されているようだ。でもどこかロマンチック。
歌詞の世界観はアニメに近いような遠いような。

歌詞以外についても突っ込んでみようと思ったが、あまりいぢる所が無い。
歌そのものは、アルフィーらしいバラードという感じだ。手堅い感じに仕上がっています。
後半の
「らんらぁ〜らんらぁ〜らんらぁらぁ〜」とコーラスが入る部分では思わず口ずさんでしまう。たかみ〜マジック健在。


Cオマケ

もう十年前のシングル。当時のシングル盤といえば8cmシングルだった。
今は見ないな。日本だけの規格だったみたいだし、消えたのは当然か。
何故か当時のシングル盤には最後のトラックにA面のカラオケヴァージョンが収録されていた。
歌手になった気分を味わえというのか、カラオケに備えて練習しろというのか。
このシングルにもカラオケヴァージョンが収録されている。
しかし、殆ど聴かなかった。
子供心に「こんな曲歌えっこねぇよ」と思ったのだろう。アニメを見ていた子供ではなく、アルフィー好きな大人向け・・・なのか?
今でもこの曲は大好きだが、歌おうとは思わない。歌えっこねぇよ!

聴いてみた。最初から最後まで聴いてみた。
今回気付いたことがある。
それは「カラオケヴァージョン」と「インストゥルメンタルヴァージョン」は違うということである。
聴く前は、単にヴォーカルトラックを抜いた(インストゥルメント化)だけだと思っていたが、
カラオケヴァージョンをよく聴いてみると、ヴォーカルメロディの部分にシンセが鳴っている。
つまり、シンセの音の高さに合わせて歌う、ガイドの役目を果たしているようだ。
どうぞ心置きなくカラオケしてください、というサーヴィスなんだろうが、
こちらとしては純粋に演奏だけ聴いていた方がマシ、シンセ邪魔だ。
・・・果たしてカラオケヴァージョンを「利用」する人はいるのだろうか?
オマケはオマケ。あんまりケチつけちゃいけないな。


D最後に

結構いぢめた感じになってしまったが、なんだかんだいって思い出の詰まった曲、忘れられない歌だ。
「モンタナ・ジョーンズ」の再放送があると見てしまう。ん〜、いつみてもいいねぇ。浪漫溢れるわぁ。
アルフィー(たかみ〜)の持つロマンティックで冒険心に溢れる世界観がアニメと合致したのでタイアップとなったのだろう。
アルフィーがアニメソング・・・意外なようで似合う。
でもアニメを観ている時にアルフィーの姿は映らないし、アルフィーを観ている時にアニメは連想しない。
でも何故か似合う。It's たかみ〜マジック。
この後、アルフィーは映画版「銀河鉄道999」(新しいヤツ)にも楽曲を提供している。
め、メーテルとたかみ〜・・・?似合う、似合うぞー!!
この曲も浪漫に溢れていて最高だ。でも歌詞がちょっとダサいぜ!諦めないでディ〜スティニィ〜♪

アルフィーは「冒険者たち」という歌を歌った。アルフィーもまた「冒険者たち」である。
デビューから既に30年以上経った。長い長い「冒険」だ。だが、彼らの「冒険」はまだ終わっていない。
これからもまた、僕らを「果てしなき浪漫へ誘」ってくれることだろう。


・・・最近ちょっとマンネリ気味なんだけどね!